箱根くらかけゴルフ場閉鎖の真相!跡地メガソーラー計画の現在を追う
雄大な富士山と駿河湾を一望できる絶景のロケーションを誇り、かつて多くのゴルファーに親しまれた「箱根くらかけカントリークラブ(通称:箱根くらかけゴルフ場)」。標高約800メートルの鞍掛山(くらかけやま)周辺に位置し、爽快なプレーが楽しめるリゾートコースとして名を馳せたこの地が、なぜ突如として表舞台から姿を消したのか、今なお多くの関心を集めています。
営業終了から歳月が流れた現在、跡地を舞台に進められた大規模な太陽光発電所(メガソーラー)建設計画は、地元自治体や住民を巻き込む巨大な社会問題へと発展しました。2026年の最新情勢を踏まえ、名門コース閉鎖の決定的な引き金となった経営の深層から、激しい反対運動と開発許可を巡る行政・司法の攻防、そして荒廃が進む現場の生々しい実態まで、調査報道の視点から徹底検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:箱根くらかけゴルフ場はバブル崩壊後の市場低迷と運営会社の経営破綻により2010年代半ばに営業を終了した。
- 要点2:跡地で浮上した約65haのメガソーラー計画は、水源枯渇や土砂災害の危険性から地元・函南町で猛烈な反対運動に発展した。
- 要点3:条例違反や行政手続の紛争を経て計画は事実上の膠着状態にあり、2026年現在も放置された跡地の安全管理が深刻な課題となっている。
【閉鎖理由の真相】箱根くらかけカントリークラブ営業終了の経緯と経営破綻
静岡県田方郡函南町と神奈川県箱根町の境界近く、鞍掛山南麓の豊かな自然を切り拓いて開場した箱根くらかけカントリークラブは、バブル経済期には首都圏からのアクセスも良好な高級リゾートコースとして高い人気を博していました。しかし、その華やかな表舞台の裏で、時代の変化に伴う構造的な経営危機が静かに進行していました。
閉鎖に至った最大の要因は、バブル崩壊以降の長期的なゴルフ人口減少と客単価の下落です。加えて、標高が高く霧や積雪の影響を受けやすい山岳コース特有の地理的条件が、冬季の営業日数低下やコース維持費用の増大という形で収益を圧迫しました。預託金返還問題や累積赤字が重くのしかかり、運営会社は自力再建を断念。民事再生などの法的手続きや事業譲渡の模索も実を結ばず、運営会社の経営破綻に伴い2010年代半ばにゴルフ場は営業終了を余儀なくされました。
関係者の証言によると、閉鎖直前にはクラブハウスの設備更新が見送られるなど資金繰りの限界が露呈しており、惜しまれつつもコースの維持管理が完全に停止するに至りました。

【現場検証】箱根くらかけゴルフ場跡地の現在と放置された敷地の実態
営業を終えたゴルフ場がその後どうなっているのか、現地調査と周辺住民への取材から浮かび上がったのは、自然の侵食と荒廃が進む広大な土地の姿です。かつて美しく刈り込まれていたフェアウェイは雑草や潅木が生い茂る原野と化し、バンカーやカート道路は風雨による洗掘で崩壊が進んでいます。
現場周辺の林道やアクセス道路には立ち入り禁止のバリケードや警告看板が設置されているものの、ネット上では廃墟探索や心霊スポット扱いする無断侵入者の存在が問題視されてきました。しかし、鞍掛山周辺は急峻な地形と断層帯を抱える危険地帯であり、手入れを失った斜面は豪雨時に崩落を引き起こすリスクを常に孕んでいます。
周辺を通るハイカーや地元住民からは、「手入れが途絶えたことで、山肌の保水力が落ちているのではないか」「大雨のたびに沢へ濁水が流れ込んでいる」といった懸念の声が上がっており、単なる廃墟問題にとどまらない防災上の脅威となっています。
【泥沼の対立】函南町メガソーラー計画の全貌と開発許可取消問題
営業を停止したゴルフ場跡地に持ち上がったのが、敷地面積約65ヘクタール、出力約40メガワットにおよぶ「函南町メガソーラー計画」でした。広大な敷地と既存の開墾地を利用できることから、事業者側にとっては再エネ特措法(FIT制度)に基づく絶好の投資先と見なされたのです。
しかし、この計画は発表直後から極めて異例の激しい対立を引き起こすことになります。計画地の下流には酪農の里として知られる丹那盆地や住宅地が広がり、直下には活断層である「丹那断層」が走っています。森林を広範囲に伐採し、大量の太陽光パネルを敷き詰めることに対する環境影響評価(アセスメント)の不備や、集中豪雨時の土砂流出・水源汚染への危機感が一気に噴出しました。
| 項目 | 詳細・数値データ | 一般的な基準・相場 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 開発想定規模 | 敷地約65ha / 出力約40MW | 一般ゴルフ場跡地:20〜50ha程度 | 山岳リゾートとしては国内屈指の大規模造成計画 |
| 地域住民の反対署名 | 町民有権者の約9割相当(2万人超) | 通常の大規模反対運動:有権者の30〜50% | 自治体規模に対して極めて異例な結束力と危機感 |
| 行政手続と条例対応 | 函南町による「不同意」および規制条例制定 | 自治体指導要綱・事前協議制 | 町議会が全会一致で反対し、事業阻止へ強固な姿勢 |
| 法的ステータス(2026年) | 林地開発許可の効力・取消を巡る係争と膠着 | 許認可取得後の速やかな着工 | 事実上の工事停止・凍結状態が長期化 |
静岡県が一度交付した林地開発許可に対し、函南町はメガソーラー規制条例を根拠に「不同意」を表明。さらに事業者側の申請書類の不備や説明責任の欠如を巡り、開発許可の取消や効力停止を求める行政・法的闘争へと突入しました。2026年時点においても本格着工の目処は立たず、計画は泥沼の膠着状態に陥っています。

【実態検証】地元住民の反応とメガソーラー建設反対運動のうねり
この問題において特筆すべきは、地元・函南町民による組織的かつ粘り強い反対運動の展開です。「函南町メガソーラーを考える会」を中心に展開された署名活動では、町民有権者の実に9割を超える2万人以上の反対署名が集まり、町長および町議会へ提出されました。
住民集会や公聴会で交わされた肉声には、生命と生活基盤を守ろうとする切実な叫びが溢れています。
「昭和初期の北伊豆地震を引き起こした丹那断層の真上で、大規模な盛り土や森林伐採を行えば、大雨や地震の際に土砂崩れが集落を直撃する。一度失われた森と地下水脈は二度と戻らない」
地域住民の抗議デモやシンポジウムは全国的な注目を集め、国会や全国メディアでも「再エネ開発と地域合意の崩壊モデル」として度々取り上げられました。自治体のトップが明確に拒否権を行使し、町議会が全会一致で反対決議を可決した背景には、住民運動の圧倒的な熱量が存在していました。
一般に知られていない盲点とネットの誤解を暴く
箱根くらかけゴルフ場跡地を巡っては、インターネットやSNS上で一部の誤った言説が拡散されています。ここで客観的な事実に基づき、主な誤解を是正します。
第一に、「すでに山が切り開かれ、パネルが敷き詰められている」という情報は誤りです。現地では本格的な大規模造成工事は行われておらず、放置されたコース跡が自然に還りつつある状態のまま凍結されています。
第二に、「外資系企業が一方的に強行している」という単純な構図も正確ではありません。関与する事業者や投資ファンドの資本関係は複雑に変化しており、国内の再エネ開発事業者や下請け企業が幾重にも介在しています。この事業者構造の不透明さこそが、行政や住民との対話を一層困難にさせた主因です。
第三に、「ゴルフ場跡地なら自然破壊にならない」という論理の破綻です。ゴルフ場は芝生や適度な樹木配置によって一定の保水力を維持していましたが、パネル敷設のために地表を削り、コンクリートや架台で覆う造成は、排水パターンを根本から変えてしまうという土木工学的なリスクが見過ごされていました。
【プロの結論】再エネ乱開発の失敗から学ぶべき構造的リスク
箱根くらかけゴルフ場の顛末は、バブル経済が生み出したゴルフ場乱開発の負の遺産が、FIT制度という新たな国家方針と衝突して引き起こされた典型的な構造的環境リスクです。
ゴルフ場経営が行き詰まった際、広大な跡地の処分先としてメガソーラーは最も手軽な出口戦略と見なされがちでした。しかし、地域の防災計画、水源保全、住民合意を無視したトップダウンの開発は、最終的に法廷闘争と莫大な維持コストを招き、事業者・自治体・住民の誰も利益を得ない結果に終わります。
地方自治体における土地利用規制のアップデートと、地域社会の合意形成を前提としない開発への厳格なスクリーニングがいかに不可欠であるかを、鞍掛山の現場は雄弁に物語っています。

【箱根くらかけゴルフ場】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:箱根くらかけゴルフ場はいつ、なぜ閉鎖されたのですか?
A1:バブル崩壊後のゴルフ市場縮小、利用客の減少、山岳コース特有の維持管理費増大により運営会社が経営破綻し、2010年代半ばに営業を終了しました。
Q2:跡地のメガソーラー建設計画は現在どうなっていますか?
A2:2026年現在、函南町の不同意方針や条例規制、静岡県による指導や法的な争いにより、本格的な工事は事実上凍結・膠着状態にあります。
Q3:跡地に入ることはできますか?一般開放はされていますか?
A3:跡地は私有地であり、立ち入りは固く禁止されています。コース内は舗装が崩壊し、野生動物の出没や斜面崩落の危険があるため、無断進入は厳禁です。
まとめ:跡地問題の行方と問われる再エネと自然保護の共生
かつてゴルファーたちの歓声が響いた箱根くらかけカントリークラブは、時代の荒波に揉まれて姿を消し、その跡地は再生可能エネルギーと地域環境のあり方を問う象徴的な場所となりました。
2026年を迎えた今もなお、鞍掛山に横たわる課題は完全な解決に至っていません。放置された山林の防災管理をどのように担保し、地域の安全と自然景観をいかに守り抜くのか。自治体と国、そして社会全体がこの教訓を真摯に受け止め、持続可能な土地利用の道筋を早急に示すことが求められています。 (出典: 箱根 くら かけ ゴルフ 場(Yahoo!ニュース))